危険な⾼速地すべり

⾼さ約40mのシラス斜⾯が崩壊し、230mも先の 家を襲いました。通常、崩⼟は、斜⾯の下部に堆積します。しかし、この現場では、下部に高さ5mの堤と幅15mの窪地がありますが、この窪地を飛び越えて土塊が移動しています。とんでもない高速移動です。上部に4000 年前の降下軽石が堆積しているので、4000 年ものあいだ、斜面更新されずに、シラスは極めて風化し多量の白色粘土(10 オングストロームハロイサイト)が形成されていました。しかも、高含水比で、シラスなのに斜面を歩くとズルズルと滑ります。風化シラスの表層に分布する鋭敏比が高い白色粘土が、崩壊時にすべり面液状化を起こしたと考えています。そのために、極めて高速の移動をしたと想像されます。さらに、梅雨時期のため、窪地や下流の緩斜にも表層には水があったので、高速で長距離を土塊が走ったのでしょう。予知が難しく、逃げることも出来ない危険な地すべり(崩壊)です。


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